あいさつ

愛知県聴覚障害者協会(前身「愛知県ろうあ福祉連合会」)は1950年(昭和25)に設立し、2020年(令和2年)で70年を迎えました。この70年、協会は様々な問題に真摯に取り組み、差別や偏見と戦い、社会のあり方を変えてきました。

現在、きこえない人の環境が本当によくなってきたのか、一つの問題を解決しても新しい問題がまた起きてしまう、人の役に立つために作られたはずの法律や制度が新たな障壁を作ってしまう、環境がよくなり便利になれど、至るところで生活格差(情報、雇用、教育、所得、医療介護等)の問題が起き、差別や偏見はなかなかなくなりません。

 21世紀に入り、私たち協会はきこえない人のための生活の寄り所として「あいち聴覚障害者センター(手話通訳、要約筆記、盲ろう派遣、生活相談等)」「聴覚障害者支援事業所ほっとくる(障害者デイ、訪問介護、居宅介護支援等)」「東三河聴覚障害者支援事業所笑おう舎(障害者デイ)」を設立しました。利用している方々は、きこえる人に合わせる教育により言語獲得が不十分なまま社会性が身につかずに、社会の壁に、あきらめ、怒り、悲しみを持ってこられ、希望のない生活を強いられている方が多くいます。この寄り所で少しでも希望を持ち、生活に元気を取り入れて今後の生活の支えになっていけば、と思っています。出産、育児、学校、仕事、定年後の生活「ゆりかごから墓場まで」を、きこえない人がそれぞれのライフステージ(生活段階)で、誰もが心豊かにいきいきと楽しい生活ができるように、私たち協会は今後も活動を続け、みなさまと共に実りある社会を築いていきたいと思っております。

  2021


理事長 中嶋 宇月

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